今週も絶好調!新卒新入社員の研修を担当している藤村です。

たとえ小さな会社でも優秀な若手人材は確保できる!

と声を大にして言いたい!でも…

小さな会社なりの問題もある。

今回は、その小さな会社に起こりがちな問題を私の経験上からお伝えしようと思います。

小さな会社でも優秀な若手は採れる!

私が人事担当をしている会社では、高卒を採用することがほとんどなのですが、毎年研修をやっていて強く感じることがあります。それは、、

年々、入社してきてくれる人のレベルが上がっているなぁ!

ということ。

周りからは「今年は当たり年やなぁ」と見て思われているようですが、実際のところは違います。偶然でもたまたまでもありません。

実際は、毎年改善を繰り返しながらも「素質のある人材が集まるような仕掛け」をしているからなんですね。

たとえば、

  • 休みを取るより、たくさん仕事をして早く仕事を覚えたいです!と言ってくれる子や、
  • 何を言わなくても「ホウ・レン・ソウ」を毎回してきてくれる子、
  • 「アンタ、ほんまに高卒かいな?」とビックリするくらいオトナな考えをもっている子etc

とにかく能動的な若者ばかりが集まってきてくれて、私自身も研修がやりやすいです。

取引先での研修をしても、取引先や同業の方が「いい若者を採用しましたねぇ」と羨ましがるくらい、社長も鼻高々です。

ですから「たとえ小さな会社でも素質のある若手人材を確保できるんだ!」ということを、あなたの会社でも是非実感してほしいと思っています。

優秀な若手人材を採るよりも深刻な問題

ですが、一方で心配ごともあります。

それは何かというと、「そんな素質のある人材の能力をもっともっと発揮させる育成能力がこの会社(の従業員)にはあるのか?」という心配です。

事実、ここ数年は「あんな先輩と一緒に仕事をしたらダメになる」と言って辞めて行ってしまう若者も出てきています。

なんというか、社会人としての考え方というか物事を俯瞰する能力、人格としてのレベルが先輩方の方が低いのでは…。というような事象が感じられてしまうのです。

要望に応えた。でも…

私が初めて人材採用活動を始めた時、全く畑違いの業界からやってきたので何をしていいのかさっぱりわかりませんでした。

ですから営業の経験を生かすべく、ガムシャラに行動して若手人材を確保してきました。

活動した当時は人手不足、人手不足と言われていた時でしたが、社会問題化するまでに至っておらず、運が良かったのかもしれません。

ですが、なりふり構わず若者を確保してきたため、正直レベルの低い人たちまで採用してしまいました。

  • 毎日遅刻してきたり、
  • 毎日親の送迎で出勤してきたり、
  • 仕事中ずーっとボーッとしていたり、
  • 仕事の途中で行方をくらましたり、
  • 言ったことと真逆のことをやったり、
  • 少し注意したら次の日から会社に来なくなったり、
  • 取引先や同業者にケンカを売ったり、
  • アイツ会社来ないなぁと思ったら会社に備品が無くなっていたり、etc

まぁ若手育成を担当する先輩社員は大変でした。

するとどうなるか?社内は疲弊してきます。若手の尻拭きに翻弄され、仕事どころじゃなくなって行ったのです。

社内に不満がたまり、入社してきた若者に洗礼を浴びさせ、次から次へと辞めさせる行動にまで出るようになりました。そして、、

もっとマシなやつ採ってこい!

社内から猛バッシングを受けました。

小さな会社にマシな若手がきてくれるわけない、高望みしたらあかん!育成でなんとかしてくれよ!

そうは思っていたのですが、私も悔しかったので「アンタらが言うマシな若手を採ってきたるわ!」とスイッチを入れ直しました。

でもいつも結果は同じ

で、苦労はしましたが改善を繰り返しながら、取引先や同業者の間では「考えられない、どうやってあんな若者を確保しているんだ!?」と探りが入るくらい、素質のある若手人材を確保できるようになったのです。

しかし結果はどうだったでしょうか?

多少の定着率は良くなったものの(勤続年数は長くなった)、結局は若者が会社を去って行ってしまう…という結果になっています。

マシなやつ採ってこい!と言って私はそうした。しかしマシなやつを採っても結果は同じだった。

それはなぜか?

理由はシンプルで「人を育てるのが根本的に下手くそだから」他なりません。

そもそも育てる意思と能力が無ければ、すぐに辞めてしまうような意識の低い若手人材が集まったとしても、周りから羨望される若手人材が集まったとしても、結局はダメになってしまうのです。

腕前のいい料理人は何をしている?

たとえば2人の料理人がいたとします。

料理を出してお客さんからマズイと言われた。その理由を何とするか?

一人の料理人は「自分の腕が悪かった」と自分のせいにした。

もう一方の料理人は、自分の料理の腕ではなく「材料が悪い」と言って素材のせいにした。

どちらがこれから料理人としての腕前が上がっていくでしょうか?明らかではありませんか?

いつまで経っても成長しない人の共通点

これは人材育成でも同じことが言えます。

若手が育たない、定着しない理由を人のせいにしている限り、いつまで経っても人を育てる技術は上がらず、どんなに素質のある人材が来たとしてもダメにしてしまうのです。

それは、たとえ天然の鯛や鰻を差し出したとしても「クソマズイ」料理にしかならないということです。素材の良さを見つけるのではなく、悪いところを見つけてそれを徹底的に叩く。美味しい料理が出来上がるわけがありません。

一方で、人を育てることに意識を向け、それを自分ごとに捉えることができる人は、たとえ手を焼く若手人材であっても成長させることができますし、素質のある人材はもっと能力を開花させることができるでしょう。

どんな素材であっても、その素材を生かした美味しい料理を作ることができるのです。

上が伸びなければ下は頭打ちする

小さな会社でも素質のある優秀な若手人材を確保することは充分可能です。

ですが、その会社が、素質のある人材を生かすことができる環境になければ、いくら素質があってもダメになってしまいます。

部下は上司の力量以上に伸びません。

上の人たちが伸びていかなければ、下の人は頭打ちになります。そして頭打ちになって人は伸びる場所を見つけてヨソへ行ってしまうのです。

若手人材を定着させ成長させたいのでしたら、まずは先輩や上司を成長させていく必要があるということです。

ですから「若手が定着しない、育たない原因」をその本人に向けるのではなく、育成する側に向けてみてください

元気がないとか、根気がないとか、扱いに困るとかいろいろ不満は聞きますけれど、問題は育成する側が若者と真剣に向き合おうとしないことです。

実際のところ、若者は伸びしろがいっぱいあります。私たちの価値観と合わないこともありますが、いいところもたくさんあります。もっと真剣に向き合ってみてください。

じゃないと、ウチみたいにライバルから横取りされてしまいますよ。