新型コロナウィルスが猛威をふるっています。

専門家の間では「人工的に遺伝子が組み替えられたウィルス」だと話題になっているようです。だとしたら突然変異もあり得ますし、日本も拡大の一途なので十分気をつけなければなりません。

ある料亭が苦しんでいる理由

ここ、京都は観光地です。中国人の団体客が姿を消し、観光業は気が気ではありません。先日、知り合いである祇園の料亭の大将から連絡がきました。「空いてるからお店に来て欲しい」と。

この料亭、以前はちょくちょく利用させていただいていました。でも行かなくなりました。なぜなら中国人ばかりを相手にするようになったからです。

当時の大将の鼻息は荒く「中国の人口は10億人を超える。そのポテンシャルは半端ない」と豪語し、地元のお客さんをないがしろにしてしまいました(このお店だけではありませんが…)。

ここだけの話し、値段は倍になり味が落ちました。だから好意にしていた地元のお客さんが離れていきました。

そして今、客足が大きく減少し、地元のお客さんに戻ってきてもらえるよう必死のようです。

さて常連さんだった人たちはどんな気持ちでしょうか?

商売と人材の共通項

それはいいとして、ある経営者がビジネスの安定性について、こんなことを言っておられました。

顧客は数じゃない、質だ」と。そして「顧客との関係性だ」と。

これを翻訳すると「お客さんは数より質を選ぶ。その質の良いお客さんとの関係性を構築し、何回も買ってもらうこと」ということになります。

別の言い方をすれば「顧客の質と顧客との関係性(リピート)以外の客は、ギャンブルも同じ」ということです。

きっとこれを読んでくれているあなたなら、この考え方をわかってくださると思います。

一定の取引先がいて、取引先との関係性が深いからリピートしてくださる。もちろん品質や技術力などで買ってもらえる面もありますが、取引先との密な関係性があるからこそ活かせるのではないでしょうか?

これらの考え方はビジネスだけじゃなく、人材についても当てはめることができます。

人材採用ですべきこと

たとえば人材採用で言えば、数を採るのではなく、質で選んだほうがいい。ということです。

これは私は今まで人材採用活動やコンサルティングをしてきて痛感したことです。

私も以前は数を増やすことだけに注力していました。採用して育てれば何とかなる!と思っていました。

ですが、数を増やしても意味がないことがわかりました。なぜなら、意識の低い人間は、育成する(教わるための)スタートラインにさえ立てないからです。

遅刻は当たり前、仕事の途中でいなくなる、すぐに休む、怒ったら辞めてしまう、ちょっと注意したことがパワハラだと言って親がしゃしゃり出てくる、etc…

とくに工事業界では「数のチカラ」と言いますが、売上に貢献するどころか売り上げを下げる人材ばかりが集まれば、全くもって意味がありません。

私たちは応募があると「来るモノ拒まず」の精神で、つい採用してしまいがちです。「中小零細企業はいい人材採れないよ」と思いがちですが、中小零細だからこそ質の高い人材の確保に注力すべきです。

なぜなら現場サイドが疲弊するだけだからです。疲弊すれば社内環境が悪化するのは言うまでもありません。

そもそも中小零細企業は人を育てる仕組みができていません。仕組みができていない以上、理解力のある人材を最低限確保すべきです。

「他で雇ってくれるところがないから応募しました」の人材を採用しちゃダメなのです。

質を採るには、会社の魅力をウマく発信していくことが重要です。雇用条件面でアピールしてはダメです。会社や仕事の魅力を伝えることが大切です。

人材育成ですべきこと

そして人材育成。これはビジネスで言う「顧客との関係性」に当てはまります。

人は採用して終わりではありません。育成しないといけません。しかし、未だに「勝手に育つ」と思っている現場サイドの人間が多いです。勝手に育つ時代はもうありません(というより、育てる気がない人が多いことが問題なのですが…)。

それはまるで「苗を植えたら勝手に実がなる」と言っているようなものです。水やりや日光浴も必要です。品種によっては肥料や栄養を変えなければ育たないかもしれません。

たとえば農家さんは、美味しい作物を収穫するために、いろんな努力をされています。酪農家さんも然り。美味しい肉牛を育てるための努力は目を見張るものがあります。

そしてきっと、あなたの会社も技術や品質の向上であったり、サービスの向上に日々努力されているのだと思います。

ですが、優秀な人材として育てることに関しては、まったくもって関心が無い…というか、取り組んでいない会社が多いように思います。

お客様に喜ばれるものを提供するためには技術やノウハウが必要なように、人材育成にも技術やノウハウが必要です。

その土台となるのが関係性です。私たちが人材育成に真剣に関わっていくことで、相手もまた関わってくれるようになります。

花や作物を育てるように、私たちが関与していくことで、相手は「必要とされている」と感じてくれ、少しずつ育ってくれるものです。

先の料亭と同じように、「相手にされない、ないがしろにされている」と感じたらどうでしょうか?あとは去るしか道はありません。

一見さんお断り!

人材が育たない、すぐに辞めてしまう、こういった理由は十中八九「人材の質」と「人材との関係性」が原因です。

これらを改善していけば、育たない、すぐに辞めるという悩みから解放されるでしょう。

あなたの会社でも、採用した人材が「一見さん」にならないよう、そして「あなたの会社を愛してくれる人材」になるよう、これからも人材採用・育成活動を頑張ってくださいね!

では今日はこの辺で。