
採用しても成長してくれないどころか定着してくれない!!
すぐに休むし遅刻もする(しかも無断で!)。
一体、最近の若者は何を考えているんだろうか…
これは多くの中小零細企業の悩みですよね?
一体、何が問題なのでしょうか?
- 社内に育成する人材がいないことが原因でしょうか?
- 社内の育成環境が良くないことが原因でしょうか?
- それとも、今の世の中が悪い?
それらも確かに問題です。しかし、それよりもっと根本的な原因があります。それは…
【目 次】
あなたはどっちの人材が欲しい?
あなたは、どちらの人材を採用したいでしょうか?
まずは、
- 休みは多く(年間休日は126日以上!)、
- 残業は絶対にイヤだし休日出勤なんてもっての他だ!
- 難しい仕事もイヤ。きつい仕事もイヤ。人とも関わりたくない!誰にも指図されず簡単で適当にやれる仕事がいい。
- ラクできて、そこそこ給料がもらえるとこないかなー。
と思っている人材。
一方で、
- 自分の能力を発揮できそうな仕事をしてみたい!
- 給与よりも”やりがい”を手に入れたい!
- 自分のスキルアップのために、会社や業界の発展のために仕事をしたい!
- 仕事が充実して時間を忘れてしまうような、そんな仕事をしてみたい!
といった人材。
どちらの人材を、あなたの会社に迎え入れたいでしょうか?
もちろん後者のほうですよね??
じゃあなんで、前者ばかりの人材が集まってきてしまうのでしょうか?
それは、、、
私たち中小零細企業の宿命だから…?
ではありません。
結論から言えば「そういう人材が集まるような求人をしてしまっているから」他ならないのです。
だから、人材を採用できたとしても、、、成長どころか定着すらしてくれず、すぐに辞めて行ってしまうのです。
ニーズ求人とウォンツ求人
これは私が勝手に名付けているんですが、求人には「ニーズ求人」と「ウォンツ求人」があると考えています。
前者のような、定着しない人が集まってくる求人を「ニーズ求人」と言います。
ニーズとは必要性という定義で「必要性に駆られて仕事をしないといけない人のため」の求人です。
たとえば、
- お金を稼がないと生活はできないから、とりあえずお金を稼げたらいい。
- プータローでは世間体があるので、とりあえず何か仕事をしておきたい。
- 仕事をしたくないので、できればラクしてたくさん給料がもらえて、休みがたくさんある仕事がいい。
- プライベートが優先なので、もちろん残業や休日出勤は絶対にナシでお願いします。
- 他で雇ってくれるところが無いので、とりあえず雇ってくれる会社を探しています。etc、、
そういった、消極的かつ受動的でモチベーションの低い人のための求人を「ニーズ求人」と呼んでいます。
一方で、ウォンツ求人とは「自分の目的を達成するため」の求人です。
たとえば、
- スキルを身につけたい、
- 能力を最大限発揮したい、
- 自分の強みを発見したい、
- 会社に貢献していきたい、
- 社会に貢献したい、
- 業界でトップに立ちたい、
- 自分らしくありたい、etc
そういった”能動的かつ積極的なモチベーションの高い人のための”求人を「ウォンツ求人」と呼んでます。

さて、あなたの会社の求人は”どちらの人向けの求人”になっているでしょうか?
ニーズ求人を生んでいる諸悪の根源
やる気がない、すぐに辞めてしまうような、モチベーションの低い人材が集まってきてしまう「ニーズ求人」になっている原因…
それは「労働条件が先行される求人」になってしまっているからだと私は考えています。
つまり、職種や、給与面や休日などの待遇、福利厚生、通勤のしやすさ、といった労働条件だけで選択され判断され、選ばれてしまうのです。なぜなら、労働条件をアピールする求人になってしまっているからです。
その諸悪の根源が、求人サイトや求人雑誌などの求人広告です。

たとえば最初の検索条件が、
「勤務地」「年収○○万円以上」「残業ナシ」「完全週休2日」「年間休日126日以上」「賞与年2回以上」など、
それらが最初の選択基準になっているところが多いのです。
なぜなら、求職者から受けがいいからです。そうした方がカテゴライズしやすいですし、人間の堕落欲求を刺激したものの方が、求職者が集まってきてくれます。
そんな”条件にだけ”惹かれ、会社に応募してきた人材で、モチベーションの高い人材に当たる確率は高いでしょうか?
きっと給与に興味を引かれてやってきた人材は、他に給与が良いところがあればすぐにヨソへ行くでしょう。
休みの多さが取り柄でやってきた人材は、「あー早く休みこないかなー。次の休みが来るまでテキトーにやっとこー」というモチベーションかもしれません。そして、仕事が忙しくて休みが少なくなってくれば辞めて行きます。
駅から近い、通勤が便利、家から近い、という目的でやってきた人は、早出があったり、残業が多かったりすると辞めやすくなります。なぜなら、自分の時間を優先する傾向にあるからです。※藤村調べ
好待遇は優秀な人材を引き寄せるのウソ
もちろん、十分な待遇は必要です。心身が安定するような賃金や休みがなければ仕事のパフォーマンスは低下するでしょう。そして働き方改革とか言われている時代ですので、時代に沿った必要最低限の待遇は必要です。
ですが、私が言いたいのは、労働条件が仕事を選ぶ基準になってしまうと問題が発生しやすいということです。
なぜなら、労働条件が当たり前になってしまったり、仕事に見合うものでなくなると、文句や愚痴が出はじめ、簡単にヨソへ行ってしまうからです。

先程も触れましたが、たとえば、お金が目当てでやってきた人は、お金で去っていきます。
その賃金が当たり前になり、そのお金を当てに生活すると生活水準が上がり、その生活水準が基準になると、だんだん不足感や不満が出てきます。
なので、昇給がなかったり、他にもっとよい賃金の会社があったり、今の手取りが減るようなことがあると、人間は生活水準を下げることにかなり苦痛を感じるので、途端に辞めて行くということが起きてしまいます。
もし、会社の売上に貢献してくれる優秀な人材だったとしても、「金銭的に自分を評価してもらえていない!」と、金銭価値を基準にする人だった場合、辞めて行くどころか、平気であなたの会社の顧客やノウハウをパクってヨソへ行ってしまうでしょう。
そして、辞めて行った途端に顧客から頻繁にクレームが来た…。なんてこともあります。
なぜそのようなことが言いきれるのかというと、そのような光景を幾度となく見てきたからです。
カネに目が眩んで失敗したケース
恋愛や結婚で例えてみるとわかりやすいですね。
ある男性が彼女をつくって結婚したいと思っていたとします。その男性、ルックスの女性受けはイマイチですが、実は高学歴。収入は2000万円以上。なんと実家は会社を経営しており、資産家でした。
そんな彼がコンパで「オレって年収2000万円はあるんだよね。しかも親は実業家だし、資産家。一生遊んで暮らせるんだよ~」って言ったらどうでしょうか?

それに目が眩んだ女性がたくさん擦り寄ってきます。
「アナタみたいなマジメな人がタイプなんですぅ~」「これは運命かもしれません~」
そんなこと言いながらも、彼女の本心は、相手の人間性に惹かれた…のではなく、彼の銀行口座の中の「カネ!カネ!カネ!」でしょう。
そしてお付き合いが始まり、結婚。結婚生活がはじまると…、、
ダンナは、とにかくお金に細かくケチだし束縛がキツかった。ぜんぜん自由にお金を使わせてもらえない!
それがキッカケで、ダンナのやることなすこと全て気に入らなくなりました。
家事や子育ては一切しないし、家にも帰ってこない(浮気してるんちゃうか!)。お願いしたことはすぐに忘れるし、顔はガマンできても、口の臭さはガマンできない。
もーー!無理!
死ぬまで安泰だ…そう思って結婚し、子供も産み、新しい家も建てたのですが…、とうとう離婚してしまいました。結婚生活から3年も経ってませんでした。
実はコレ、私の知り合いの出来事です(笑)。
「ダンナのいいとこ、お金を持ってるっていうとこ以外、イッコもなかった。」
彼女はそうつぶやきながら、現在、元ダンナから養育費を搾り取るための裁判を起こしています。
一方で、お金も無い、見た目もタイプではない、でもお互い仲良くやっている恋人や夫婦もいますよね?
そういった人は、相手をモノやスペックで見てるわけでもなく、自分よがりな欲望を満たすために一緒にいるわけでもなく、お互いの”内面的な魅力”に惹かれていることがほとんでしょう。
モチベーションの低い人材を引き寄せる「合言葉」
待遇などの労働条件をアピールすることが、モチベーションの低い人材を引き寄せる。
それは、求人に書かれているメッセージもかなり影響しています。
たとえば「簡単なしごと」とか「残業なし!休日が充実しています」とか「就職祝金20万円」とかですね。

「簡単なお仕事です」と言えば、簡単な仕事だけしかしたくない人を引き寄せてしまいますし、「残業なし!休日が充実しています」と言えば、時間内だけしか仕事をしない人や、休日だけを目当てに人がやってきます。
もし、会社が繁忙になって、どうしても残業せざるを得ない状況になり、残業をお願いしたとしても「話が違う!」って言われ、最終的に辞めていかれます。
「就職祝金20万円」なんてアピールしたら、それだけを貰いに人が集まってくるかもしれません。
さらに応募してきた人たちを簡単に採用するので余計に質の低い人材を採用してしまいます。
もちろん、喉から手が出るほど人材を確保したいのもわかりますが、会社の足を引っ張るだけ引っ張って、辞められてしまっては、結局何をしているのかわかりません。
つまり、労働条件をアピールしていけば「それで応募してきくださいね」って言っているようなものなのです。
極論を言ってしまえば、相手からすれば、あなたの会社が儲かっていようと、火の車であろうと、経営者がどんな想いで会社を経営し発展させていこうと意気込んでいても、、
結局どうなろうと、その労働者達は「給料は決まった日にちゃんともらえ、休みと有給休暇はしっかり取得でき、労働者の権利が守られれば自分には関係ない…」です。権利ばかりを主張するのです。
それが求人内容がモチベーションの低い人材を引き寄せてしまっている原因のです。
そのような人材はむしろ社内に悪影響を及ぼし、会社の雰囲気を台無しにしていきます。
ニーズ求人からウォンツ求人へ
私が常々感じていることがあります。それは、、
好待遇を提示するから優秀な人材を確保できるのではない。優秀な人材だからこそ好待遇になるのだ。
ということです。
優秀な人材は「お金だけ」ではやってきません。休みが十分に与えられているからパフォーマンスが高いわけでもありません。
仕事をほったらかしにして「もう17時になったんで帰ります」とか「明日土曜日なんで休みます」なんて言わないでしょう?
それより、仕事のやりがいや、あなたの会社、経営者の魅力に惹かれてやってくるものです。そして、物質的な充実よりも、心の充実を求めているものです。
だからこそ、労働条件をアピールするのはもう止めにして、もっとあなたの会社の魅力、仕事の魅力を発信していきましょう。
第一、労働条件で大企業に対抗しようとしても到底勝てませんし、労働条件競争をすれば経営を圧迫させます。
でも、「魅力」なら大企業と勝負することができますし、他社と差別化することもできます。もし、あなたがそう思っていないのでしたら、知名度や待遇面で勝負しているのかもしれません。
ですから、仕事の魅力、会社の魅力をどんどん発信していくべきなのです。
これは商売でも求人でも同じ
たとえば、あなたのご商売で考えてみてください。
きっとあなたの販売している商品やサービス、ノウハウは、一朝一夕で生まれたものではないはずです。長年かけて、血のにじむ努力と、多くの苦労を重ねてきた出来上がった商品やサービス、ノウハウのはずです。
ですが、その努力や苦労、そして魅力を一切知ることなく、
「価格はいくら?」「おたくの、高いねぇ。もっと安くならないの?他に替わりはいくらでもいるよ」
そう判断するお客さんがいたらどうでしょうか?

そんなお客さんとお付き合いしたいでしょうか?
そんなお客さんは、これかもずっとあなたのことを「価格だけで判断」し、ちょっとでも安いところがあれば、平気でヨソへ行ってしまうでしょう。
しかも、そういったお客さんは、あることないことイチャモンをつけたり、何かもっと得てやろうと理不尽な要求をしてくる人が多いものです。
一方で、あなたが販売している商品やサービスの中身やこだわり、想いに惹かれているお客さんは「価格だけで判断」するでしょうか?
他にもっと安いところがあるから…って平気でヨソへ行くでしょうか?
そんなことはないはずです。なぜなら、あなたの商品やサービス、人となりという魅力に惹かれて買っているからです。

ですから、ヨソと比べて価格が高かったとしても、取引条件が良くなかったとしても、あなたの魅力に惹かれているので、喜んであなたから買ってくれます。
これは求人においても同じことです。
賃金や休みなどの待遇で人材を集めようとすると、条件面で比較判断するような人材がやってきます。
本人が納得する給料と休みがもらえ、通勤しやすい会社であれば、ぶっちゃけ「どこの会社でもいい!」と思っているでしょう。
一方で、魅力を発信すればするほど、それに共感・共鳴した人があなたの会社にやってくるようになります。他の会社と賃金を比べたり、休みの多さを比べたり、家から遠いから行きたくない…なんて思われません。
しかもそれと同時に、欲しくない人材も同時に排除することができます。
「物質的に繋がるより、心で繋がること」
これは理想の人を引き寄せるための原理原則です。
そのためには魅力を発信することが必要です。あなたが魅力を発信すればするほど「こんな人が欲しかった!」という人材がやってくる。
相手は「他じゃなくて、ココがいい!」って言ってくれる。
そう考えれば、超嬉しくないですか?
あなたもモチベーションの高い人材を確保できる
私自身、求人採用活動において、今までいろんな悔しい思いをしてきました。
求人票を持って行っても「建設業」と言われるだけで相手にされなかったり、受け付けてもらえなかったりもしました。
合同企業説明会では、まるで存在が無いかのようにスルーされましたし、参加申し込みをしても断れることも多々ありました。
専門家に相談すれば「給料上げたらいいんじゃない?それで解決でしょ!」と言われたこともありました。
契約期間が切れかかると「面接を希望します!」と、応募者を装うサクラを雇うような求人広告代理店に無駄なお金を払い続けることもありました。
そして応募してくるような人は、給料で他社と天秤にかけてくるような人だったり、他で雇ってくれるところもないし、とりあえずココで働いておこうっていう態度で応募してくるような人ばかりでした。
採用すれば、遅刻や無断欠勤をする者、ずっとボーッとしてる者、突然会社に来なくなる者、親の送迎で出退勤してくる者、仕事先でトラブルを起こす者、会社の備品を盗んでいくも者、そんな人ばかりが集まってきました。
だからこそ、いろいろ勉強し、経験を積んで、やり方を変えていきました。
結果的に、労働条件ではなく、魅力を優先的に発信するようになったのです。
魅力を優先的に発信したことで、採用できる人数は減りましたが、明らかに人材の層が変わりました。
遅刻や無断欠勤する人材はいなくなりましたし、足を引っ張る人材もいなくなりました。
賃金や休みの多さで他社と比較されたり、「家から近い・駅から近いから」とか「他に行くところがなかったんでとりあえず…」といった理由で応募する人も減りました。
それどころか、むしろ「手に職をつけたい!」「上を目指したい!」と必死になって仕事をおぼえようとする人材が来てくれるようになりました。
たとえ朝が早く、夜が遅くなっても根を上げず(多少はありますが…)、通勤に1時間近くかけて来る若者もいますし、「自立したい!」と一人暮らしを始めた若者もいます。
なぜなら、モチベーションの低い人たちとは明らかに違い、”仕事をする目的の次元が全く異なるから”です。
魅力を伝える「ウォンツ求人」へと移行すること。
これこそが、人材を獲得できるだけでなく、モチベーションの高い人材が獲得できるようになる”唯一無二”の方法です。
軽侮される求人からの脱却を
きっとあなたも私と同じように、会社の求人に対して誰にも見向きもされず、軽蔑されてきた経験があるかもしれません。
給料上げたら来るんじゃない?って、休みをもっと増やしたらいいんじゃない?って責任感の無いことばかり言われたかもわかりません。
そして人材は確保できずに悩み、苦しみ、疲弊した日々を過ごしてきたかもしれません。
だからこそ、人に頼らず、自社発信でもっともっと魅力から発信して行ってほしいのです。魅力を発信し続ければ、それに惹かれる人が現れることを信じ続けて…です。
魅力をどんどん発信してください!そして、あなたの会社にモチベーションの高い若手人材が集まってくることを心より願っております!
今回は長くなりましたので、また次の機会に「魅力の伝え方とは?」「なぜあなたの魅力は伝わらないのか?」をお伝えできればと思います。
P.S.
えっ?ウチには魅力が無い?
そんなこと言わないでくださいよ。なぜなら、魅力が無ければあなたの会社はとうに廃業しているからです。どこかに何かしらの魅力はあるものですよ。
それでは、またお会いしましょう!