ひょっとしたらコレは経営者にとって耳が痛い話しかもしれません。

なぜなら、若手人材が定着しなかったり、せっかくこれからだ!という時に従業員が会社から去られてしまう理由の中に、ひょっとしたら経営者に原因があるかもしれないから…です。

時代錯誤のモチベーションアップ法

んっ??なんか従業員の士気が下がっているぞ!?

ヨシっ!ここは一致団結で社員旅行へ行くぞ!!

会社を経営しているあなたなら、少なからずそう思い、または実行されたことかと思います。

現に、私の知っている会社の経営者も、ちょっと業績が下がったり、従業員のモチベーションが下がっていると感じたら、カンフル剤を打つかのように社員旅行へ行くぞ~!!って言ってます。

しかし、果たしてそれで社内の士気は上がるのでしょうか?

実は、、士気が上がっていると思っているのは経営者だけであって、従業員は必ずしもそうではない…、、というより、むしろ弊害なのかもしれません。

キャリコネニュースっていう就職・転職サイトが実施した「社員旅行に関するアンケート」によると、社員旅行に「行きたい」と回答した人がわずか8%だったのに対し、「絶対やだ」と回答した人は半数を超える65%に達したということ。

他にも、JTBが実施した、社員旅行に関する調査では「行きたくない」と「行きたくないが行事なので仕方なく行く」が過半数を超え55%という結果に。

私のヒアリングにおいても

  • 休日を潰してまで旅行に行きたいくない
  • 上司に気を使い続けるので逆に疲れる
  • リフレッシュという意味で旅行にいくなら、その代金分を支給してほしい。勝手にリフレッシュするから
  • お金をもらえる休日出勤をする方が全然いい

などの声があがりました。

若者は酒を飲まなくなったはウソ?

最近の若者は酒を飲まへんからな…。

繁華街へ出歩くと、そういった声が聞こえてきます。ココ、京都の祇園においても、若者はほとんど見かけませんし、私もたまに繁華街へ行けば、お水系のママがそんなこと言って愚痴をこぼしています(そういった人は、売上の不振を、世間のせいにしたり、不景気のせいにしたりいつも誰かのせいにしているのですが…)。

では本当に今の若者は酒を飲まなくなったのでしょうか?

実は、今の若者でもお酒はたくさん飲みます。現に、10代…(はダメですね。もとい!)20歳になったばかりの従業員でも「お酒大好きです!」と言っていますし、よく飲みに行くとも言っています。

ただ、我々が思っている「飲みのスタイル」がキライなだけなのです。

多くの人は、繁華街に繰り出してごはんを食べ、その後にオネエチャン目当てにクラブやラウンジでカラオケをしながら夜中まで飲む…ということが「遊んでいる」という1つのステイタスだと思っているかもしれません。

しかし、今の若者はオシャレに飲む。シンプルに飲む。そういった傾向にあるような気がします。現に、ごじゃれた飲食店街へ行くと若者で溢れかえっています。まるで「朝まで飲んで寝ずに会社へ行く…」なんて雰囲気すらまったく感じないような、スマートな飲み方というのでしょうか。

なので飲み場や飲み方のスタイルが変わっただけで、お酒を飲まなくなったわけではないのです。

これが従来の飲み方を否定しているわけではありませんし、すべての若者がそうでもありません。しかし、若者達が夜の酒場を楽しんでいる空間に入り込むと「楽しみ方が違うなぁ…」と感じてしまうのです。

なので、お互いがお互いの空間に行ったら「つまらない」と感じるかもしれませんね。

価値観のズレを強要していませんか?

何が言いたいのか?というと、私がこのブログでいつも言っていることなのですが、、

あなたが思っている、「〇〇とはこうであるべき」という価値観は、今や大きく変革しているということです。

社会人とはこうであるべき。仕事とはこうであるべき。上下関係はこうであるべきetc…です。

もちろんそれが間違っているとは言いません。むしろそれが正解だと思うことの方が多いです。

しかし、それを押し付けることはナンセンスです。

たとえば、営業マンが突然やってきて「あなたにはこの商品が必要です!」とゴリゴリに押売りをされたらどうなるか…

反発し、抵抗し、心を閉ざします。中には怒りをおぼえる人もいるでしょう。そして顔を見たくない奴リストのトップ3内に成り上がります。

つまりは嫌われるってことです。

前回、誰と一緒に仕事をしたいか?という話しをしましたね。まさにそれです。
「そのお話しは→→ コレが人手不足倒産に陥らない方法です

人材を定着させ、会社の戦力に成長させるためには

かと言って、従業員の顔色ばかり伺うのもイヤですよね。経営者のプライドや威厳を失ってしまうのもいかがなものです。

でも、上司だからと言って、権力者だからと言って、あんまり威張ってしまうのも良くありません。

しかしこのご時世です。辞めれば他に採用してくれるところはたくさんあります。

ぶっちゃけ、正直に言えば、、今の若者は、社長の命令だからと言って、部長の命令だからと言って、上司の命令に従わなければいけない理由もなければ義理もないと思っています。

そして、あなたの会社で働き続ける理由や、仕事をするモチベーションを持ち続けることができないのなら、、いとも簡単にあなたの会社を去っていくでしょう。

だったらどうすればいいのか?

従業員が上司の命令に快く従ってくれる唯一の方法。それは…

「きずな」です。

絆という心と心の繋がりが土台があってこそ、あなたの会社で働き続ける理由の土台にもなり、成長するエネルギーにもなるのです。

従業員を支配したいのなら

若手人材だけではありませんが、従業員があなたの会社に居続けてくれるか、それともどこかへ行ってしまうか、それを見分けるシンプルで唯一の方法があります。

それは、いくら人材採用や人材育成のノウハウを仕入れたところで、このシンプルかつ大きな土台となるものが無かったら、全く意味をなし得ないほど強力なものです。

それは、、

「好きなのか嫌いなのか」、「軽蔑しているのか尊敬しているのか」です。

たとえば従業員が、会社のことを、上司のことを、あなたのことを、「好きなのか嫌いなのか、軽蔑しているのか尊敬しているのか…」です。

たったこれだけです。

先日、何人かの従業員がこぞって辞めてしまったのも、元を手繰ればこのシンプルな考え方にたどり着きます。

つまり、従業員が経営者や上司のことが「好きななのか、尊敬しているのか」これが根底になければ、指導も指示も命令も、何をやっても無駄だということです。

そして、従業員を「思うように動かしたい」と思うのであれば、もはや社内の権力は、なんの意味もない時代になってきているということです。社長だから、部長だからと言って、相手が何でも言うことを聞くだろうと思うこと自体、もう時代錯誤なのです。

権力をかざすより、尊敬を得ること。これがこれからの成功の秘訣ではないでしょうか。

1分でわかる まとめ


  • 経営者と従業員との価値観には温度差がある。
  • 経営者が良かれと思ってやっていることは、決して従業員は良いと思っているわけではない。
  • 価値観を押し付けると従業員との間にわだかまりができる。それが会社離れを起こすキッカケに。
  • 現代の若者は、社長の命令だからと言って、部長の命令だからと言って、上司の命令に従わなければいけない理由もなければ義理もないと感じている。
  • あなたの会社で働き続ける理由がなければ、従業員は簡単にあなたの会社を去っていく。
  • 従業員は、あなたの会社や上司、経営者のことを好きかなのか嫌いなのか。軽蔑しているのか尊敬しているのか。
  • 「好き&尊敬」がなければ成長するどころか定着もしない。
  • これからの時代、上司という権力は通用しなくなる。権力をかざすのではなく尊敬を得ることに注力を。

いかがでしたか?今回は、従業員(特に若手人材)を会社に根付かせ、会社の戦力として成長させていくための基礎中の基礎をお伝えしました。

私の経験が少しでもあなたのお役に立てることを願っております。