以前、人材確保のちょっとしたセミナーで、建設業界が若手不足に陥っている大きな原因が、

若手人材が確保できないのは3Kや待遇だけが原因ではない。

日頃からの素行による、良くないイメージ付着していることも原因だ

と発言したことがあります。

この発言に、建設業界に身を置いている人達から猛反発を受けました。反発が起きるのは想定内でしたが、予想以上に大きく、席を立つ人が続出、かなりのバッシングを受けました。

しかし一方で、「わかるわかる!」「だから建設業は変われないなんだ!」と共感してくれる方もいました。その共感をしてくれる方の多くが、「真剣に人材を確保していきたい!」という建設業界の人や、就職が近づいているお子様を持つ、一般の方々でした。

イメージの影響はかなり大きい

見た目的な印象、横柄な態度や運転、犯罪etc、

もし、事件が起きてニュースになれば「〇〇歳の建設業」と取りあげられていることが多くないでしょうか?

これは数多起きるニュースの中で、建設業関係の人だけに当てはまることではありませんが、建設業界だけを狙って、マスメディアが取りあげているように私は思えてなりません。

しかしマスメディアはただ漠然とニュースにしているわけではないのです。国民の反応でニュースになるネタを取りあげますから、「また建設業関係か…やっぱりな…。」という国民からの印象を裏付けるものでもあり、「建設業は野蛮」というイメージをさらに焚きつける洗脳でもあります。

ということを前提の置くと、建設業は若者から人気がなく、、というか、選択肢にすら挙げられていないというのが実情ではないでしょうか?

もし自分の子供が就職するなら、どんな仕事を選んでほしい?

現代の若者は以前とは異なり、就職に対して1人で決めるようなことはあまりありません。ほとんど親に相談する…というか、親が関与してきます。

そこで少し考えてみて欲しいのですが、就職を控えたお子様を持つ親が、「自分の子供が就職して欲しい会社」に建設業という選択肢があるのか…?ということです。

もちろん、建設業に対して「良いイメージ」があれば後押ししてくれるでしょうし、「悪いイメージ」があれば反対するでしょう。

現に私は、後者のイメージを持たれたることの多い保護者が少なくない中、新卒採用で人材の確保に苦労している1人です。子が「就職してみたい」と言っても、親が「やめときなさい!」って言われたらそこで終わりです。

イメージ改善に取り組むある解体業者

先日、家を解体するために、ある解体業者のトラックが道を占有していました。道を占有してしまうことは致し方無いことですが、騒音、迷惑駐車に不安と心配をさせないために、近隣への挨拶を徹底していました。

車が通ればすぐに産廃車を移動させ、「ご迷惑をお掛けしています!」と作業員全員で声をかけていました。この対応の影響からか、近所の方は「うるさい!静かにしろ!」ではなく「暑い中大変やね。いつもご苦労様」という声をかけられていたのです。

そんな好印象を持った会社に「入社したい!」と子供が言ってきたらどうでしょうか?断る理由が少なくなります。

良くないイメージを持たれているからこそ、クリーンなイメージに徹する。

人間の脳は「ギャップが大きければ大きいほど、その印象を強く持つ」という特徴があります。

例えば美女がいたとします。その美女に自分の存在を記憶してもらうために「美しいですねぇ」と言っても、相手の記憶に残りません。なぜなら言われ慣れているからです。

逆に、「ブッサイクやなぁ!」と言うと(まぁ嫌われるの必至ですが…)、強く相手の印象に残ります。相手の頭の中にある「私って美しい」というイメージとのギャップがあるからです。

つまり、良くないイメージを持たれている業界・業種ほど、好印象を与えるチャンスも大きいということです。このことに多くの人は気づいていません。

イメージの重要性

人間はイメージというものに大きく影響される生き物です。好印象、好感触が人を呼び寄せる大きなポイントと言っても過言ではありません。

これから仕事に就く人たちは建設業に対してどんなイメージを持っているでしょうか?

なぜ、周囲から反対されるのでしょうか?

3Kだとか、給料が安いからなどの理由からでしょうか?

3Kを解消し、給料を上げれば応募が殺到するでしょうか?

もし、待遇を改善しても人材の確保ができていないようでしたら、、

若者やその親と話しをしてみてください。きっと何らかの気づきが得られると思います。