現代の若者を見ていると「応用力が全くないなぁ」と思うこと、ありませんでしょうか?

前回、若手のルート営業マンの話しをしたのですが(その記事はコチラ)、その営業マンは会社に誰もいない時に営業に来るんですね。

そして「仕事が取れない」と嘆いている彼にアドバイスしてあげたんです。

「社員が帰ってくるのは18時は過ぎるから、その時間以降においで」と。

「じゃないと注文もらえないよ」と。

そしたらその若者から「18時はもう退社時間なので…」と返事されてしまったというくだりです。

現在は…というと

しかし未だに彼は、会社に誰もいない時間にやってきて「こんにちは!!」と挨拶をし、

「名刺を置かせてもらいます!」と言って名刺を置いて「またよろしくお願いします!」と言って帰って行きます。

そして、また会社に来ては「注文がもらえません」と嘆き、仕事のやる気が失せています。

彼が置いていった名刺を見たウチの社員が「あっ、あの人に頼んでみようか」とか、

私が「最近、あの営業マンがこまめに来てるから何か注文出してあげて」とでも言ってくれるつもりなのでしょうか?

それで仕事が取れるなら苦労しません。それなら私がやります(笑)。

そんな注文がとれないモチベーションだだ下がりの彼を見兼ね、さらに私はアドバイスしてあげたのでした。

若手のやる気が出ない原因

若者が仕事に対してクールな考え方をしている原因はさまざまですが、私たちからすると「やる気がない」と思えてしまうことが多々あります。

でも、よく観察したりコミュニケーションをとっていたりすると、彼らはやる気がないわけではないのです(全くやる気が無い人もいますが…)。

「やる気がない」以上に「やり方がわからない」ということが正直なところではないでしょうか?

応用ができないんです。

応用ができなければ同じことの繰り返し。単純作業しかこなせません。そうなると仕事の楽しさも見出せなくなります。

応用力がないから「仕事がうまくこなせない」、「自分の思うように進まない」、「もう何をどうしていいのかわからない」など、

仕事に対するモヤモヤというか葛藤が溜まっていることが多いんです。これらがモチベーションを下げる、やる気を阻害する1つの原因です。

教えることよりも…

私たちは「自分で考えろ!」そう言われて育ってきましたよね?

しかし今の若者は「自分で考えろ!」と言われても、何をどう考えていいのかさえわからず、チンプンカンプンで思考停止に陥るだけです。

先ほどのルート営業マンの彼のケースでは、営業に関する研修や教育を受けているわけでもなく「とりあえず営業廻ってこい!」とだけ言われて営業しているパターンです。

なので、会社に訪問して、とりあえず大きな声で挨拶して、名刺を置いて帰る。

これが彼の中の営業であり、それ以上も以下もないのです。考える余裕もなく、枠から抜け出せないのです。

彼は彼なりに頑張っているつもりなのでしょう。しかし注文が来ない。だからモチベーションが下がる。

という負のスパイラルに陥ってしまっているのです。

もちろん基本を習得していくことが前提ですが、

物事に対する考え方、応用方法のフレーム、どういう視点で考えて行ったらいいのか?

そういったことを伝えると、若者の頭のモヤモヤが取れたりします。

「社会人なんだから自分で考えろ」ではなく、誘いの手を入れてあげることも必要です。

ポイントは命令ではなく質問すること。

たとえば「○○をしろ!」と言うより「○○するにはどうすればいい?」「○○しないためには何をすべき?」などですね。

相手のレベルによって質問のレベルを変えていく必要はあるのですが、脳科学の世界では、常に質問を投げかけていると、自然と脳が答えを見つけ出すようになると言われています。

また、人から命令されるより、自分で答えを見つけ出したほうがモチベーションも上がるようです。

これから若手人材を育成していくには、指導・教育する立場の人の質問力が必要になってくるでしょう。質問力が若者の応用力を鍛え成長させていくと私は考えています。


 

あっ、先日、正月明けから出社してこなくなった新入社員ですが、今は頑張って仕事をしてくれています。

彼は学校を卒業し、入社1年目に関わらずとても頑張って仕事をしていたのですが、ふと自分を見つめてしまったのかもしれません。これからの方向性が見出せないという葛藤があったのかもしれません。

若者は若者なりに、もがき苦しんでいます。

それを「根性無し」とか言って突き放さずに、しっかりとフォローし、自分を見つめなおす機会を与えることも必要です。

無事に彼が戻ってきてくれたのは、私の説得力ではなく、社内の協力があったからこそです。