これは3年前の話しです。

新卒採用で入社してきたR君という人がいました。

そのR君はスポーツマンタイプでちょっとやんちゃな感じ。見た目は少し派手。近頃の若者にしては元気がありますが、少し大雑把な感じがありました。

通勤時間も5分ほど、朝の早いこの業界で、会社までの通勤時間は短い方が得。社内からも「職人はこのくらいがちょうどいい」と言われ、先輩にも可愛がられて期待されていました。

一方、同じく新卒で入社してきたM君がという人がいました。

そのM君、入社した時からおとなしく(面接の時もそうでしたが…)、無口で、何を言っているかもわからないような人でした。

ちょっとオタクぽい一面もあり、部活動やスポーツもアルバイトの経験もありませんでした。

「あんなヤツ雇って大丈夫なんか!?」とか「なんであんなヤツ採用したんや!」とか「すぐ辞めよるで」などなど、社内から批判がありました。

しかも、通勤時間は1時間。辞めるは時間の問題だと言われていました。

4年目に入った現在はどうなっているでしょうか。

4年目に入り…

R君。R君はもうこの会社にいません。

社内から期待されていた若者も1年弱で辞めてしまいました。

遅刻やサボりも多く、トラブルも起こす。社内で良くない影響を与えていました。

一方、おとなしすぎたM君は…

今でも会社で頑張っています。

1度の遅刻もありません。たとえ前の日が遅くなっても、、です。

まだおとなしい感じはありますが、ちゃんと挨拶もするし、会話もします。先輩にすっかり可愛がられ、今は後輩の指導もしています。

この違いは一体何なのでしょうか

この違い、、私にもわかりません(笑)。

共通して言えることは、「人は見た目によらない」ということ。

そして、ちょっとしたことや、生まれ育った環境、心の見えない部分が仕事の原動力になっていること。です。

たとえばM君の場合、学生時代は友達も少なく、独りで過ごす時間が多かったそうです。

しかしこの会社に入り、先輩から可愛がられ、必要とされ、居場所を見つけました。

それよりも、「最新の工具や変わった工具を集める」という趣味も見つけました。

その工具で仕事ができることにどうやらエクスタシーを感じているようです(笑)。

仕事に打ち込める「何か」をいかに見つけられるか

仕事に打ち込める「何か」があれば何でもいい。それは些細なことであっても…です。

たとえば、番線の締め方が要領よく行くとエクスタシーを感じるとか、作業着に袖を通すことに男のロマンを感じるとか…(これは私のことです。笑)、

そういった些細な事でも仕事の原動力になっている場合が多々あるのではないかと思うのです。

その原動力を、近年の若者はなかなか見つけることができない。

そういったちょっとしたキッカケを見つけてあげるのも、指導者の役割りかもしれませんね。

なので4月から入社してきた新入社員の机には、工具のカタログがいっぱい並んでいます(笑)。

変革すべき時代に入りました

私が採用を担当して以来、社内の雰囲気が変わりつつあります。

それは工事会社というイメージには似つかわしくないマジメな人が増えたということです。

今まではヤンチャ系が多く、髪を金髪したり、顔じゅうがピアスだらけだったり、警察沙汰になったりと、トラブルも多かったようです。

これからは工事会社と言えど、マジメで清潔感が溢れるものではなくてはいけない!

どこの会社でも雇ってもらえないような人の受け皿になってはいかん!

これが経営者の意図していた事です。

そのためにマジメそうな私を?(笑)採用担当としてオファーされたのでしょう。まさにしてやったりですね。

昔と比べ、近年はコンプライアンス等、周囲の目が厳しくなってきています。

「あの会社がこんなことしとった!」とすぐに告げ口される時代です。

社内の意識改革がもっと必要なのではないかと思います。

 

P.S.
冒頭に2人の違い、、私の推測ですが、子供が親に依存している、親が子供に依存している、そういった若者は辞めるのも早いです。甘えが出ますので。そう思うと、自立心というのは大切ですね。

親の子供に対する「苦労させたくない想い」が、逆に「子供を苦労をさせる結果になる」これは私が常々感じていることです。

そんなマジメな人材を採用できるヒントを知りたい方はコチラより