前回の記事で高卒求人獲得法、若者の採用時に、説得するのは本人だけでなく、親にも認めてもらうことが必要だと伝えました。

それは周囲をはじめ、特に親の影響力が強くなっているからです。言い換えれば就職する本人の意思が無い、弱いということなのですが…。

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子供に就いて欲しい仕事

先日、ある調査会社が出していたデータを目にしました。「将来、子供が就いてほしい職業」についてです。

1位は「大企業」でした。2位が「手に職系」。これは医者とか弁護士とかです。職人系でないのが悲しいところですね。3位が「公務員」。上位3位の多くの理由は「安定しているから」「安心できるから」だそうです。

公務員は別として、大企業でも潰れる時代。弁護士も食べて行くのが必死の時代です。ましてや成果主義の時代が色濃くなってきているのに、本当に「安定しているから」「安心できるから」と言えるのでしょうか?

本当の理由

この「理由」を分解していくと、ある「本音」にたどり着きます。それは「子供の仕事の安定」より「親の自慢」です。「ウチの子供は大企業に勤めている」「公務員だ」「ウチの子供は弁護士だ!医者だ!」と世間に自慢したいわけです。

たとえ食えない弁護士でも「ウチのお坊ちゃまは弁護士ですのオホホ」と自慢したいわけです。口が裂けても「建設労働者だ」「製造業の工員だ」などと言いたくないのです。

「親の育て方が良かった」と周りに認められたいの同時に自分の子どもは常に英雄でいて欲しいのです。これが真の理由です。もちろん子供には良い稼ぎをして欲しいのは事実だとは思いますが、別に大企業に就職しなくても起業すれば高収入を狙えるわけですから。

中小企業の未来

ですから、私の会社を例に挙げると、就職する本人がその気でも、悪しきイメージがまとわりつく建設作業員はどうしても反対されてしまう傾向にあります。「そんなところ行かなくてももっと他があるでしょう」と…。

名の知れない地方の小さな会社はそういった障害を乗り越えていかなくていけないのです。例えば「大企業と取引をしている会社です」とか、他には無い部品や身近に感じられる製品を作っていることをアピールしたり、社会貢献をしていることをアピールするなどの方法が考えられます。

「あぁ、我が子はこんなに意義のある仕事をするのかぁ…」と思ってもらえることが1つの突破口となるわけです。

高卒や若者を採用する際、こちら側で未来像を示すことが大切だと痛感しています。「私はこういう未来を築きたい」という時代から「あなたの会社はどういう未来を示してくれるのか?」という時代になっているからです。

会社の「存在意義や未来像」が明確であると説得もしやすくなりますし、離職率も低下すると思っています。

あなたの会社はどんな未来像をお持ちでしょうか?