助けてください!!

人が足りなくて困っているんです!!


電話の向こうから、耳が「キーン」となるほど発せられた大きな声に、私は切実なる想いがした。

それは以前の仕事で知り合った清掃業のK社長からでした。

その社長とはしばらくご無沙汰しておりましたので、久しぶりにお会いすることになりました。

 

共通の悩み


「ハローワークも求人広告も出しているのに全然人が集まらないんです。」

「若者雇ってもすぐに辞めていくし。」

「もう仕事もこなせへんなってるし、休みもないし、従業員からの不満も…。」

「もう会社の雰囲気最悪ですわ。」

「どうしたらいいんですか??もうヤバいですわ…」

そんな切実な思いをひしひしと感じました。


そうお悩みの会社は少なくありません。

特に地方の零細企業は、社長自ら現場の仕事に入っておられることが多く、

経営資源である「ヒト、モノ、カネ」の「カネ」や「モノ」には関与しますが、

ヒト」に関してはあまり力を入れていない経営者が多いのではないでしょうか。

少数精鋭の会社は、経営者が何から何まで全てをこなすわけですから心身の負担はかなり大きいです。

無論、そんな経営者の気持ちをわかってくれる従業員は滅多にいるはずもなく、もしいれば大事にすべきです。

そんな切なる悩みを少しでもお力になれればと思い、アドバイスをさせていただきました。

 

求人を出せばいつか応募が来るという勘違い


求人を出しておけばいつか人が集まる

そう思っておられる方はまだまだ多いです。

しかしこれだけは断言します。

求人を出し続けて喜ぶのは広告会社だけだ」と。

その社長、求人広告に毎月20万円払い続けていました。

そしてこうも申し上げました。

ただ漠然と求人広告に求人を掲載することは

派手な看板が立ち並ぶ道頓堀の繁華街でA4サイズの広告を出しているようなものだ」と。

1年間、毎週求人広告を出し続けて1件も反響がなければ、もちろん人の目にも留めてもらっていないでしょうし、

もし目に留まっても応募したいと思ってもらえていないのです。

そして汗水流して稼いだ毎月の20万円が「読まれない紙切れ」となり古紙回収車へ、

そして広告代理店の社長の愛人の生活費へと姿を変えているかもしれません。

それなら作戦を変える必要がありますよね?

 

自分の価値観を共有させるという勘違い


K社長は「仕事は厳しいモノ」という信念のもとで若者を指導してきてきました。

少しでも圧力をかけると

すねる」「泣く」「辞める

のオンパレードで若者の取り扱いに悩んでおられます。

「なんで俺の言うコトをわかろうとしないんだ!」

「なんて腰ヌケばっかりなんだ!」と。

しかしこれはK社長の会社だけの問題ではない。

日本各地でこういう事態が起きているのです。

 

昔の価値観はもう今の時代が求めていない

これはある経営者が発した言葉です。

若者が離れていく大きな要因は「価値観の違い」です。

これは人材に悩む会社の共通点であり、価値観のギャップを埋めて行くことが最大の課題です。

倫理観というか道徳観は本来普遍的なものはありますが、価値観のギャップがここまで開き、若者の価値観や新しい価値観がここまで浸透されれば、もはや昔の価値観が「悪」とされてしまいかねません。

学校の教育法が変化してきたのも「価値観の変化」の故です。

時代の変化というものは恐ろしいものです。

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いかに変化に対応できるか


かの有名な「チャールズ・ダーウィンの格言」に、こんな言葉があります。


生き残る者とは、最も強い者ではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。

唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である


人を変えようとするには、「価値観を受け入れる」こと、

そして「自分から変わらないといけない」のかもしれません。


K社長は「痛いほどようわかりますわ…」そう仰っていただき、現在(いま)の環境を認識していただき、受け入れてくださいました。

しかし中には頑なに拒む方もいらっしゃいます。

「何で社会も知らんガキに合わさなアカンのや!」と。

そして求人の反響がなければ「いつになったら応募来るんや!」と広告代理店の営業マンに怒鳴り散らす。

これでは人材が集まるどころの話しではありません。

まずは世の中の現状を把握する。自分の置かれている環境を把握する。

それから対策を練らないと「現代の人材争奪戦」の土俵にも上がれないのです。


私がいつも感じることは、人材不足に困っている業界や会社は「世の中の変化」に対応していません。

現状の不満ばかり漏らしています。

そしていくら「業界の魅力」や「仕事のやりがい」を伝えたところで、相手の心には到底響かないのです。

ピントが合っていない。

合わそうともしない。

今、カメラを構えなければならないのは、相手ではなく「あなた」なのです。

我が社も「変化」という点ではまだまだな部分が多いです。

しかし「少しの変化」をするだけでも「結果は違ってくる」ということは身をもって経験しています。


「遅刻は当たり前」
「出勤する度に親が送り迎えをしている」
「仕事中勝手に抜け出す」
「仕事に対して指導をしたら親からクレームがくる」etc..


そんな若者をアナタは受け入れることができますか?